なぜ数学は自主学習なのでしょう？

‘学問に王道なし’と言われるように、楽をして学問はできません。

私は学生時代に家庭教師として何人か教えましたが、

数学４、英語３の中学３年生を指導した時、ほとんど教えることなく

勉強の傍らで見守っていただけで数学は５に上がり、苦手な英語は

しっかり教えたにもかかわらず３のままでした。これはなぜだと思われますか？

当塾の過去の生徒達がこれを証明しています。

数学で偏差値が５５以上の中学生であれば、３年生ぐらいになると

それほど教えることなくほぼ９０点以上が取れています。

テキストには定期試験のほぼ１００％の内容が含まれており、

これを自主的に取り組むわけですから当然の結果だと言えるでしょう。

中学１年生からこの習慣を身につけ, 予習で取り組んだ生徒はさらに実力が備わります。

数学には、筋道を立てて物事を考え１つしかない答えに

一瞬の狂いもなくたどりつけるかどうかの能力が要求されます。

その為に過去の天才が発見した定理を使って問題を解決していく学問です。

それには、その定理の根本的な意味を本当に理解していなければなりません。

教科書にはその解説が書かれています。

これに興味を持って、まず自分から先に考えてみることが重要なのです。

いわゆる予習です。そのことによって定理の本質がよくわかり応用が効くのです。

基礎が分からず応用問題をいくらやっても意味がありません。

真似をして解いてもその同じ問題以外はまず解けないでしょう。

ご承知のように、高校数学にはこの定理が山のようにあります。

高校入試にし大学入試にしろ、３年間および６年間に、いかに頭を使ってきたかを解いたことの

ない問題で試されるのです。当然のように自分で考え抜いたきた生徒から得点が高くなります。

このため当塾では、数学については中学生から自立学習（アクティブラーニング）を取り入れています。

これは以下のようないろいろな効果が期待できます。

　①思考力や論理的読解力が身につきます。

　②定理（基礎）の意味ががよく分かり、応用、ひらめきが備わります。

　③授業を受ける前、つまり予習でやれば、学力のみならず、実力もアップします。

　④本人の学ぶ力が育ち、高校で自ら努力できるようになります。

　⑤興味があれば、理科や英文法にも強くなります。

　⑥何よりも数学が面白くなり、脳の筋力を鍛えます。

ここで大切なことは、どんな基本的な問題でも、「自分が本当に正しいと納得しない限り、

つねに『なぜ❓』という気持ちを持って問題に真摯に向き合うこと」です。

ミスもできるだけ自分で解決することが重要です。

逆に一番いけないのは、「自分が納得していないのに分かったふりをしてごまかし続けること」です。

解法や定理（基本）の意味も分からず、最初から覚えようとしてはいけません。

質問もポイントを絞って出来なければなりません。

個別指導も教え過ぎてはならないのです。

確認テストでチェックしながら自立学習ができるように指導するのが私の仕事です。

これに対して”詰め込み教育”ではどうでしょう？

解法を覚えさせられ、難しい問題をやらされると分からないので、

すぐに先生の説明を聞き、仮に分かったとしてもきちんとフォローしないので忘れます。

分かった気になるだけです．復習は大事ですが、自ら復習をきちんとできる生徒が何人いるでしょう？

真面目にするのはせいぜい試験前の切羽詰まった時ぐらいです。

同じことを何回も間違える生徒がいます。自分の頭に入れる努力が出来ないのです。

こういった生徒にはすぐに教えないで”考えさせる”指導をしなければなりません。

中学生では予習、復習は日ごろ自分ではなかなかできません。当塾では、これをやらせているのです。

ただ、中学ではたくさんの問題を解く必要はありません。勉強が嫌になります。

基礎をしっかりと自分で分からせることと、納得のいかない問題を自分で考え抜く姿勢ができていれば十分です。

ひらめく能力もここから生まれます。これだけで模擬試験で８０点以上は取れるのです。

やらせ過ぎの弊害もあります。高校入試で完全燃焼し、高校に入ってから努力できない生徒が結構います。

教えられることに慣れてしまうと高校で自ら勉強することが出来ません。苦手なところは手を抜きます。

大学入試で栄冠を勝ち取る生徒は、自ら、予習復習をし、苦手なところに挑戦し、自分に負けない生徒だけです。

もっと言えば、人のしない努力のできる生徒です。いかに早く自主的に勉強するかで受かる大学が決まります。